Sanald

ベルファストのSanaldのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.0
昨年、アカデミー賞レースに躍り出ていた時からずっと見たくて、なんだかんだ後回しになっていた作品。
脚本・監督のKenneth Branaghは役者としても大好きな人。彼が過ごした幼少期を反映した内容だけあって、表現がとてもリアルだった。

宗教が違うという理由だけで、生まれ育った街を追われる。
信仰は自由であり優劣などつけることはできないのに。
昨今のウクライナ侵略戦争を見ているだけに、尚更心に刺さってくる。

子どもながらの無邪気な視点は、戦争の残酷さを一層際立たせる。
クラスメートとの恋や、かけがえのない祖父母との時間をもっと大事に過ごしたかったのに…
流(しゅあされるように万引きやギャングの襲撃に巻き込まれる危うさと、事の重大さをわかっていない様子に、親も頭を抱える。

「故郷を離れたくない」
その気持ちは嫌というほどわかる。
そして、
「この街には何もない」と思ってしまう失望感と「都会へ行ったら疎まれるだろう」と考えてしまう恐怖も。

印象に残ったセリフ。
・(知らない土地で)相手のことがわからないのは、聞こうとしないからだ。
・(数学を勉強しながら)答えが一つなら紛争など起こりはしない
・人が何かを学ぶためには胸の高鳴りが必要だ
・(宗教が異なっても)優しくて寛大でお互いを尊重できれば大丈夫
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