明らかに「ROMA」を意識したと思われる半自伝的映画だと思うが、そういう視点で見るとシナリオにやや難点があるし、史実に基づいているという点でも没入感に欠けるなあという感想。悪い映画ではないのだけれど、あくまで比べると。
具体的には、画作りや音楽が明らかに69年とはかけ離れていて、当時の雰囲気が出ていないのに白黒にすることで妙にスタイリッシュになっていること。また、大人俳優陣だけでなく子役までもみんな演技が上手すぎて、子供視点で描かれるっていうのが大事なのに絶対こんな子供いないやん、ってなってしまう。この辺は「ROMA」みたいにほぼ素人の無名俳優を使った方がリアリティが出たと思う。
終盤の子供を人質に対峙するシーンとかも現実には絶対ありえないんだよなあ。惜しい。
