閉じ込められるよ、その部屋に。
気をつけてね。これからこの映画を見る人。本当に。僕は本当に怖い思いをしたから。
はじめ、やたら狭い一戸建ての建物で撮っているなぁと思って、あぁ窮屈な画面でまさにお金ない中撮った日本映画だなとか嫌なことばかり考えていたんだが、作中でカウンセリングが始まると、その部屋の狭さに自分が追い込まれていく感覚を覚えた。
狭い部屋で撮るしかなかった?
いや違う。これは狭い部屋だから怖いんだ。ここから出してくれとじわじわ汗が滲み出る。
何を見せられているんだ。この女性は何をさっきから話しているんだ。はてなマークで退屈していたはずの脳みそが、いつしか本能的に映像を拒否し始める。うん? なんで今僕はこの映画を怖がっているんだ? いやなんか嫌な予感がするぞ。これはとても気持ち悪い映画なんじゃないか。 ちょっと待って。結論が出る前にもうこの部屋から出してくれないか? いや、なんだろう身体が動かないぞ。
ぎゅっと硬直し続けた僕の身体は、ある瞬間、彼女の顔を見ると反射的に仰反るようになる。ダメだ。怖い。出してくれ。
嫌な予感はちゃんと当たるよ。