竜平

THE GUILTY/ギルティの竜平のレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)
4.0
緊急通報ダイヤルのオペレーターがある女性からの電話を受けることから巻き起こっていく事件と騒動、それをオペレーターの視点のみで描いていく。デンマーク産のワンシチュエーション系サスペンス映画『THE GUILTY/ギルティ』のハリウッドリメイク作品。

オリジナル版を先に見てて、そっちが非常に素晴らしい出来で、またリメイクとなる今作の主演が自分のお気に入り俳優ジェイク・ギレンホールということで、期待を寄せての鑑賞。まず何やら現状に問題ありで性格も危うい感じの主人公をジェイギレが好演中の好演。今作にはひとまず彼の魅力が詰まりに詰まってる気がする。構成としてもオリジナル版と同じく一人芝居チックだし、好きな人にはもうたまらないはず。序盤も序盤から匂わされる主人公自身にあるらしい問題と、舞い込んでくる緊急通報してくる側の問題、それぞれが少しずつ、しかもいいバランスで明かされていく展開に引き込まれる。この二つは直接的な関わりはないものの、主人公の現状と重なるような部分が後々出てきたりして、ワンシチュエーションで進むサスペンスながらそこにどっしりとしたヒューマンドラマが掛かってくるという、これは今作の最大の特徴と言えるかも。そんなこんなで最後まで見入ってしまう内容。

終盤にちょいどんでん返し展開があって、今作に初めて触れる人は「してやられる」んじゃないかなと思うけど、まぁストーリーをすでに知ってる身としてはそこに驚きはなかった感じ。そんで描写やら何やらはオリジナル版の方が巧妙だった気もする、んだけど、こっちはこっちで前述したようにジェイク・ギレンホールの熱演が光りまくってるし、オチとかわかっていてもしっかり楽しめた、なんならグッときたというところ。罪の意識や良心との葛藤といったドラマね。オリジナル版を見た人にもまだ見てない人にも俄然オススメしたい。

エンドクレジットのとこで声のみの出演陣もじつは豪華だったことを知る。そして監督がアントワーン・フークア、彼の作品はいい意味で男臭いやつ多し。
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