オレオレ

ワース 命の値段のオレオレのレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.0
全世界を揺るがした9-11、その被害者救済基金に関わった人々の話。
亡くなった人をお金に換算できるのか?

今年で20年の節目を迎えた9-11。ある程度の年齢以上の人にとっては、あの日、どこでどうあのニュースを知ったのかは一生忘れがたいものだと思う。
20年経ったのは信じがたいが、あー、ガラケーだったもんな、自分の携帯やネットニュースでなく、オフィス内の映りが悪いTVで映像見たもんな、と思うと「20年」が現実的ではある。

ストーリーは事件発生後、乗っ取られた航空会社を被害者からの訴訟から守る目的で設立された被害者救済基金にかかわった弁護士たちと被害者たちの話。弁護士側は2003年の12月という期限までに7千人の被害者家族のうち85%から基金による補償の了解を得なければならない。
「CEOの補償金額と掃除婦の補償金額(Worth、価値)が違うのは当然か否か」という大きな問題に、いくつかの被害者家族のエピソードや基金に疑問を持って反対の立場をとる団体代表者(S.トゥチー)のストーリーが加わって語られる。

9-11の映像がたくさん出てくるのでは、と思って見るのを躊躇していたが、画像はほとんど出ない。その代わり、被害者最後の瞬間の話や留守電に録音されたメッセージなどが出てくる(実物ではなくドラマ化されているが)ので、画像がない分、想像すると辛くなることが多かった。

派手なアクションも議論で言い負かす部分もないが、主役のM.キートン、A.ライアン、S.トゥチーと消防士の奥さんが良かった。
「人間の価値は何によって決まるか」という意味合いのタイトルに対する明確な答えがでていないが、しょうがないのかなあ・・・