Ryan

ワース 命の値段のRyanのレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.7
「母を失った
耳飾りを失った
父を失い 声を失った
チケットを失い 裁判の勝利を失った」


ストーリー
弁護士のファインバーグは、同時テロ発生から間もなく政府からあるプロジェクトへの協力を依頼される。それは、訴訟回避の目的で補償基金を設立した政府と約7000人の被害者のまとめ役だった。


主演 マイケル・キートン
監督 サラ・コランジェロ


アメリカ同時多発テロ事件の約7000人もの犠牲者と遺族に補償金を分配する国家的な大事業を担当したケネス・ファインバーグの実話を映画化。

泣いた。
終始、9.11テロ事件が漂い、人々の苦悩や怒りを感じつつも、己の"無力"さと前に進むしかなかった人々を描く。

この終わり方もとても好きだが、個人的に思うのは基金に頼るしかなかった人々の「お金がない」という事実も描いて欲しかった。
一家の大黒柱や稼ぎ頭をテロで亡くし、生活に困窮し、子供たちや将来への不安があったからこその基金でありそれを利用したのは間違いないだろう。
この作品にはその辺の経緯はなかった様に感じられる。
割と都合の良い描き方とも捉えられた。

最愛の誰かを亡くした人々の物語だが、主役は頭が硬い弁護士であり、彼が一貫して主張する"数字"に途中から苛立ちさえ覚えた。
また別の視点からこのアメリカの危機を描いたのはとても良かっただろう。

マイケルキートンvsスタンリートゥッチは見応え十分である。
Ryan

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