さーやorべりす

帰らない日曜日のさーやorべりすのネタバレレビュー・内容・結末

帰らない日曜日(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

感動作として見に行ったけど、どちらかというと個人的には悲しかった。

まだ公開前だし見終わって正直この映画を自分が飲み込めなさすぎてどう評価してよいのか未だにわからないので、もしかしたらあとから評価をあげるかもしれないし時間がたってからあわなかったと評価を下げるかもしれない。
今は自分の中で消化しきれてないので3にしておく。
そしてネタバレ。


原作との違いをトークショーで聞いてるうちに「監督の女性目線」「監督の目線」が追加されたがゆえにもしかしたらなんか違和感を覚えてしまったのかもしれない。

身分違いの恋、
孤児院上がりのメイドをしていた主人公が、上流階級の男性と恋をしたとある一日のことを思い出しながら小説家となった彼女の時間軸が転じる作品であるがゆえに、黒人男性の彼とのことが時間軸が行き来することによって交互で出てくると「黒人男性の彼のことは本当に好きなのか?」というなんかモヤモヤしてしまう感じもしたし、また上流階級の彼が自傷的な生き方をしているように見えてしまい、身分違いの恋も半ば「やっつけなのか」と本来は本気の恋であろうに真実の愛なのか「どうせ自分は死ぬから子孫を残さない」的な(ダッチキャップ/オランダ帽と呼ばれるコンドームをつける行為すらも)彼女を気遣ってな行為かもしれないことも自分の存在意義を消し去りたいようにも見えてそこもモヤモヤした。

この黒人男性については原作では白人男性でその階級違いの恋をしたポールに似ているという設定らしい。
それなら「ポールを本当に愛していて…」とかともとれるんだけど、映画になると黒人男性に変更になっていてポールに似ている的な描写はなくなっている。

また、原作は男性作者、監督は女性であり原作より映画の方がポールとのやり取りで彼女目線の描写が増えているらしいのでそれも監督、脚本の目線で再構築されてるからたまたま自分にはそれが戸惑いになったのだろうか。

ちなみにこの時代、正式に結婚した人はいないことはないそうで、ただ実際の人は弁護士とメイドで家族に隠したまま籍を入れており亡くなってから家族が知りおおごとになり新聞記事にまでなったそう。

もちろんこの映画は階級制度に対するおかしさも表そうとされているとは思うけど、悲しかった………。

裸のシーンが多いのは、階級差があるこの時代(イギリス郊外のバークシャー)、着ているもので身分差がわかるので脱いでいるときの二人は身分関係ない!というのは予想できたけどメイドさんの私服が良く言えばカラフルで映像美、悪く言えば階級違いでもおしゃれを楽しんでいるというか明るく見えるというか(赤い服とか)見えてしまったとも思う。

とある人が孤児であることに対し
「(身内とか先に全部なくしていることを)何も持っていないことを武器にしなさい」
といい、最後まで見れば彼女にとって後押しされる素晴らしい言葉なんだけどイヤミとかかと思ったし、なのにキスするからあ、本気!?ってなったけどこれもどうやら原作では自分で気づく言葉で誰かに言われた言葉ではないそう…。
そこも一瞬モヤっとしたとこだったので…。

また彼女の好きな小説の思考も原作だとジョセフコンラッドが好きと冒険ちっくなものが好きだけど映画だと
「自分だけの部屋」というフェミニズム小説に切り替わっているのも映画オリジナルだという。

やはり彼女の設定が「???」と困惑させられてしまったのかなとトークショーを聞くほど思ってしまったのでした。

ただ好きなのは大事な人がなくなったとき必ず電話が鳴ることを被せてくる描写。
あれは悲しくて悲しくて…彼女が何も喋らないけど悲しいことがわかるから好き。

終わってから🐰とたくさんモヤモヤぶつけ合ったww