この映画、構成が非常に勿体ないと思う。
素直に時系列に沿ってジェーンとポールの一時の逢瀬とその後の悲劇を描けば印象に残る佳作になったかもしれないのに、何故かその何年後かのメイドを辞めた後のジェーンとその恋人の恋愛描写を挟み込むのだ。
これでは単なる恋多き女としかジェーンが映らず、ポールとの束の間の恋もそのうちの1つとして軽く感じられてしまうのだ。
老女になった女流作家の遠い過去の恋愛を回想するスタイルでは【愛人ラマン】を思い出すが、あれほど切なくしっとりクライマックスからラストにかけて歌い上げてほしかった。
映像はシックで抑えた色合いが素敵だったです。