さや

ちょっと思い出しただけのさやのネタバレレビュー・内容・結末

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

まずタイトルとキャスティングが良すぎる。お二人共自然体の演技が良い意味で見てて恥ずかしくて、遡るほど愛おしくなるような日常があって、、、
未練とも言い難い、本当にちょっと思い出しただけなんだよね。

元カレを思い出すのは大体悪い記憶からだろうからその意味でも別れから遡る構成は苦しく、比較されるであろう花束みたいな以下略よりリアルでサブカル感も程よい。あえて大まかな部分を空白にして誕生日だけを切り取って繋ぐのが上手い。付き合おう別れようも無いのに距離感の変化を仕草 表情で細かく表現されているのも素晴らしい。話が前後するので集中力がいるが、無駄なシーンに見えて無駄じゃなかった?!とゾワッとする瞬間が何度もあり、小物までも伏線回収するので意外とテンポ良く最後まで楽しめた。とは言えナレーションはもちろん、心の声も一切無いので淡々と進む感じに飽きる人もいるだろう。ラストはラ・ラ・ランドがよぎったが、オマージュされているナイト・オン・ザ・プラネットを観てからの方がより楽しめそう。

【個人的苦し"〜ポイント】
・葉ちゃんの「寝ると一回会えなくなるから」に対して「じゃあ夢で待ち合わせね」って言ってくれるの助かる(?)そこで「いや疲れてるやろから寝な」「たった数時間じゃん」とかマジレスされたら拗ねちゃうので!照生ぜってぇ寝落ち電話して切らずに繋っぱにしてくれるタイプぢゃん好き。3丁目の5の1で会おうね。

・踊れなくなって葛藤する照生に葉ちゃんが「連絡してよ」と怒るシーン、私も絶対同じムーブしちゃう。待つのが愛なのか?尊重するのが愛なのか?自分もエゴを押し付けてしまうかもしれないと一番感情移入したシーンだった。


"言葉が無くても伝わる"と"言わなきゃ伝わらない"のすれ違いはほんと〜に恋愛における永遠のテーマですわ。でもこうやって人は進んでいくんやな、その瞬間は二度と訪れないから今を楽しもう、そう思えた。エモ映画(笑)は食わず嫌いせず一旦観てみるべきだと確信した。



パタパタする時計、欲しい〜〜
さや

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