Uえい

叫びとささやきのUえいのレビュー・感想・評価

叫びとささやき(1972年製作の映画)
3.0
時計の針のアップから始まり、時刻は分からないが時の経過だけをビジュアルで見せていて驚く。そして、カラーだけど白と赤を基調にした二色使いが鮮烈だった。

あるお屋敷に住む三姉妹の次女アングネスは重い病で寝込んでいて、屋敷には苦しみの叫び声がこだまする。そして懸命な看病も実らず亡くなってしまう。

姉カーリーンは淡々と手続きを行うが、女中や妹に当たるようになり、しまいには自傷行為をしてしまう。妹マリーアも、元々あまり良くなかった姉妹の絆を取り戻そうとするが姉に嫌われていた事を聞きショックを受ける。

そして葬式も終わり、姉妹と女中は離れ離れになろうとしていたがアングネスが眠る寝室から声が聞こえてくる。

ほとんど女性だけが登場していて「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」を思い出した。ペトラ〜は女性同士の愛が物語を動かしていたが、本作は今まで表面上で上手くやり過ごしていた家族間の亀裂が顕になるさまが描かれていた。最近身近な人の姉妹が亡くなり、いざこざになっているのを見てしまったので他人事には感じられなかった。
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