akina

名付けようのない踊りのakinaのレビュー・感想・評価

名付けようのない踊り(2022年製作の映画)
3.8
たまたま観賞したのですが、とても興味深いドキュメンタリーでした。
目黒シネマで「アメリカン・ユートピア」と2本立てで、そのどちらも"人と繋がり一つになる"というようなものがテーマにあったのだけど、こちらはどちらかというと田中泯さんと"何か"が踊りによって一つになる、の方が正しいか。

最後の方で、手を翳し天を仰ぐカットが続くシーンと、その後の田中さんの言葉で、まさにだったのだけど、踊りで表現する対象と一体になる、それが田中さんにとって幸せなのだなとわかる。

中村達也さんのドラムで踊る田中さんのシーン、なんだか衝撃的だった。嘘がないというか、素直というか、こういう表現になぜだか惹かれてしまうのは、素直な表現であることに嘘や偽りがないという安心をもって向き合えるのかもしれないな、とふと思った。

あと、犬童監督の言葉少なめ、ちょい長回しの映像も、田中さんのドキュメンタリーとしてはぴったりで、このタッグだからこそ成立しているドキュメンタリー作品だった。
akina

akina