このレビューはネタバレを含みます
当時の彼と歳が近いからか、涙が止まらなかった。普段私は、仕事が辛い、もう嫌なことばかりするのは嫌だ、でもお金が欲しいからしたくない仕事もする、年収を下げたくない、もっとボーナスがほしい、将来が不安だから市場価値を上げていきたい、ストレスフルな毎日になんとか折り合いをつけて、心を安定をはかるために試行錯誤している。
私とは正反対な彼が羨ましくなった。表面的なことや些細なことにとらわれないほどに好きなことがあって、夢中になって我が道を突き進んでいる。世間の目なんて気にしない。もっといろんな山に登りたかった、もっと恋人や家族と過ごしたかった、に違いないけど、好きな道を突き進んで濃密な人生を謳歌した彼が羨ましい。
それなりの学校をでて、それなりの企業で働いて、大切な人と同じ時間を過ごせる日々。幸せなはず。幸せな瞬間は沢山ある。でも、何かが足りない。もしこのまま死がきたらきっと後悔する。そんな気がする。彼はその足りない何かをもっている。だから羨ましい。
みてよかった
