Carly

アウシュヴィッツの生還者のCarlyのレビュー・感想・評価

アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)
3.6
アウシュヴィッツを生き延びたボクサーの青年。リングに上がりながらその名を知らしめようとするのは、生き別れた恋人を思ってのことだった。秘めた思いを抱えたまま戦い続ける孤独、襲い来るPTSDの症状。戦争と虐殺が残した過酷なものが垣間見え、心を揺さぶる。
収容所で彼は自身を守るために戦った。相手は仲間であるはずの同胞たち。誰が彼を責められるだろう。誰しも自身の命を惜しむのは当たり前で、いたって当然のこと。それなのに、彼はその記憶に苦しめられ続けることになる。あまりの悲惨さに戦争の恐ろしさと許されざる行為を改めて思い知らされた。
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