たけお

アウシュヴィッツの生還者のたけおのネタバレレビュー・内容・結末

アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

生還者の日記を元に描かれたPTSDに苦しめられる物語。
アウシュビッツの過酷な現実、そこで、ボクサーとしての才能を見込まれ、ドイツ将校に特別待遇を受け、お互いウインウインな関係性も匂わせながら、憎む主人公。
ナチスの楽しみとして、ユダヤ同士がボクシングで殴り合う、負けた方はそのままリングで銃殺される。そうして生き残りアメリカで生還者のボクサーとして活躍する。と言っても、チャンピオンを目指せるような強さはない普通のボクサーなのが、実話なんだなと再認識させられる。
生き残りアメリカでボクサーとしての暮らしながらも、ナチスに連れ去られた恋人を探す日々、アウシュビッツでのユダヤ人を殴って生き延びた話を記者にして、記事にされる(恋人を見つけるため)と、同じユダヤ人の仲間からはじかれる。そんな日々を支えてくれた女性と結婚し、子供をもうけて、14年が過ぎたある日、記者から恋人がアメリカにいることを知らされ会いに行き、恋人は病気で余命わずか、最後に互いの生存と当時の本物の愛を確認して、それぞれの家庭へと戻っていく。
戦争が、差別が生んだ辛い人生…
リアルな話だった。
主人公を演じた人は一人なのか?凄すぎる。ボクサーとしては、デブデブで、アウシュビッツでは、ガリガリで、同じ人?
ユダヤ人の迫害をもっと知っていれば、この映画のことももっと理解できるし、ナチスのユダヤ人狩りの意味も良くわかるんだろうなと思った。
アウシュビッツは、白黒ベースで恐ろしさの極みを描き、アメリカでは、リアルなPTSDで苦しむ男を描き、映像やカメラワークも素晴らしかった。
たけお

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