移民はあまり登場しない。彼らの姿は透明化され、ほとんどの場面で架空のイメージ提示とそれに対する応答が繰り返される。
「私、不安なんです」「怖くてたまらないんです」という弱々しい響きが正義感あふれる人々の背中をゾクゾクさせる。見ていられない。けれど日本でもときどき見かける光景。
映画全編を通してファシズムの魅惑的な側面もキチンと表現されている。というか、それがこの映画自体の持ち味というか魅力にすらなっていて、ドキドキしてしまう。でも最終的にはやっぱりドキドキしてた自分はバカだったなと思い出させてくれた。良い終わり方だと思います。