言わずと知れた探偵金田一耕助シリーズのミステリー作品の代表格。
市川崑監督と言えば、明朝体の漢字を少しズラして表現するスタイル。きっとエヴァンゲリオンの表現方法にも影響していると思う。
結末はウロ覚えだったが、改めて見るととても面白くて、やはり名作と言える。
冒頭から遺産相続を巡る遺族の苛立ち、依頼人が殺害されるなどトントン拍子で物語が進行していく。
金田一耕助のスタイル、覆面のスケキヨ、湖に刺さる死体、斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)の連続殺人事件、早合点の署長、全てが素晴らしい。
陳腐な表現はあるものの、時代設定が昭和22年であり、変な感じは全くない。戦争の被害による顔のケガを不気味に演出する構想は見事だ。
加藤武、大滝秀治、坂口良子、岸田今日子が好印象でした。
横溝正史本人が那須ホテルの主人として登場。
プロではない演技がわかりやすく、昔よくあった原作者のサービス的な演出。演技力が乏しく残念な演出にも思える。
4KになるたびにFilmarksの作品が増える印象だ。