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キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのCHYのレビュー・感想・評価

4.0
実際にあったお話というありがちな始まり方の映画史上一番胸を締め付ける映画でした(僕調べ)

僕は日本で生まれ、日本で育った完全梱包、安全人生を過ごしていて、ケネスの生きている国はただ家で過ごしているだけで殺されてしまう、歪んだ偏見・差別思想が蔓延っている場所であり、そこで生きる人たちは常に暴力や死におそれながら生きなきゃ行けないのかと思うと、いかに自分が安地にいるかってことがわかる。日本だってそりゃ偏見や差別思想はあるがその思想を持つ人々はマジョリティではなく悪という認識が強い、だがケネスの住む国には差別文化が強く根付き、悪の認識も薄い。

ケネスは精神や身体を病んでいるということをわかっている上で警官達はドアを強く叩き、罵詈雑言、命令を強い語気で浴びせている。公的機関として配慮と理解があまりにもなさすぎるところをみると引いてしまうがこれは世界共通で起きてることか…となり悲しくなる。警察も人間で思想や性格があるのはわかるが警察である以上公平かつ冷静であって欲しいと願ってしまう。
ケネスの死に関わった警察関係者の誰もが罪に問われなかった事実に嫌気がさす。なんの救いもないのかよ。

事実に基づいているため結末はわかっていたがケネスの無事を祈らずにはいられなかった。ロッシという理解・配慮しようとする警官がいてくれたことが唯一の救いであった。故に「お前なんとかできんかったんか…」と思わずにはいられなかった。

ワンシュチュエーション映画だけど緊張感とケネスのストレスがまるで現場にいるかのように伝わってきて、最後まで気を抜けなかった。 
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