このレビューはネタバレを含みます
Amazonプライムで鑑賞。
射殺されたケネス・チェンバレンの頑迷が過ぎる態度は明らかに不審者そのもので(なぜ、ドアを開けないの?そうしていたら、3分で事は済んでいただろうに)、チェンバレンの態度が「あれ」では、警官も帰るに帰れないだろう。
むろん、発砲は行き過ぎ。それはやり過ぎ。とんでもなく悪辣で愚かな警官が何人かいたのは確かで、彼らが事件後に起訴すらされていないのは、アメリカの闇と恥そのものだ。
だが、「白人警官が可哀想な黒人を射殺」という単純な(ブラック・ライブズ・マター的)文脈で語られるべき事件ではないような気がするし、精神的に完全に病んでいる老人がアパートで一人暮らしをしていたところに悲劇の主因があると思われる。どう見ても入院治療がマストなレベルだろうに……。
陰湿な実話を元にした、気が滅入る作品。人に薦めようとは全く思わないが、緊迫感のある映画を求めている人なら、本作は最適解かもしれない。