Jun潤

KAPPEI カッペイのJun潤のレビュー・感想・評価

KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)
2.9
2022.03.24

伊藤英明主演×『デトロイト・メタル・シティ』『みんな!エスパーだよ!』の若杉公徳原作×『翔んで埼玉』『カイジ ファイナルゲーム』の徳永友一脚本作品。

1999年に終末が訪れるという、ノストラダムスの予言。
その終末に備え、孤島で鍛錬を積む少年たちがいた。
時は流れ2022年、師範に解散を言い渡される。
終末から世界を救う以外、やることがわからない戦士たち。
渋谷にたどり着いた勝平は、カツアゲされている啓太を助けた縁で、ハルという女性と出会い、一目惚れする。
世界を救う使命と恋の間で揺れ動く中で、かつて共に修行した戦士たちと再会する勝平。
果たして、勝平はハルに想いを伝えることができるのか!

悪のいない世界で、ヒーローは何をすればいいのか、悪がいないなら、自分が幸せになるために戦えばいい。
そんな、やることのないヒーローたちのお話。

こう聞くと面白そうな作品ですし、実際後半はそっち方面に振ったので楽しめたのですが、そこにいくまでが長いし、そこに至ってからも長い。
設定もいいしキャラもいい、ギャグとラブに振り切る演出も光っていましたが、いかんせん脚本のテンポが悪い。

作品の主軸を、勝平1人の物語に置くのか、終末の戦士たちの群像劇に置くのか、勝平とハルのラブストーリーに置くのか、勝平と出会った啓太の成長物語に置くのか。
満遍なく主軸を置いて、結果どれを際立たせたいのか、イマイチ伝わってこなかった印象です。

材料もいいし、演者の方々も存在感と表情で世界観とのギャップを表していたのに、味がバラバラで全体的に薄味になってしまった印象です。

勝平と英雄の、小学五年生みたいな会話は好きでした。
序盤の大学生たちのノリ、ちょっと高校生感が強すぎやしませんかねぇ…。
多少強引なオチも、個人的には好きですがやるなら本編をもっと仕上げたうえで、全部ぶち壊すぐらいのレベルでやって欲しかったかも。
Jun潤

Jun潤