mさん

雨を告げる漂流団地のmさんのネタバレレビュー・内容・結末

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

取り壊される団地に依存してしまう少女
壊されることを受け入れることができなかった団地。
そんな少女や団地が引き起こした一夏の大騒動。
団地が居場所を失い海に漂流してしまう。
巻き込まれた少年は少女との関係と向き合い
それぞれが「今」を受け入れ
脱出をしようと奮闘する。

多分描きたいことは
色々な「別れ」を受け入れて
今あなたのそばにいる人たちと共に
生きていこうということなんだろう。

だけどあまりにもうまく伝わってない気がする。

まずコウスケとナツミ以外漂流する理由がないのがちょっと勿体無い。彼らは単純に物語の賑やかしでしかない。まだナツミとコウスケにとってあの団地は思い出がたくさん詰まった場所でかつ、なくなってしまうことが定められたものだから
漂流する意味はあるけど、それ以外の4人にとって団地は特に思い出のある場所でもないからただ脱出するべき状況でしかない。なんでこうなったんだ、団地に何かあるのではとか一切考えない。

なんか彼らにとっても思い出があった場所、
そして今は失われた場所と出会って、
そこでその建物の精とであうみたいなのがあったらよかったのになと思う。

フロリダ女が昔行ってた遊園地の精と出会ったりしたのはいいけど、めっちゃあっさりだし
頭怪我した人は特にそういうのないし
サッカーボーイズはなんか体育館?みたいな練習場があったのかもしれないけど、そこに行ってもないし、それぞれがあの場所で昔の思い出と出会って、その思い出の失われた場所には戻る場所があったんだみたいなのが描かれればいいのに
あっさりだし、描写されないからただ4人が巻き込まれただけで終わってたのが本当に勿体ない。

キャラも6人中半分が好きになれない。
コウスケとナツミとフロリダ女があんまり好きじゃない。フロリダ女は信じられないくらい非情なこと言いまくる。色んな人に厳しいことを言うから、もう7人が仲良くなることは個人的にはあり得ないなと思ってしまう。もうノッポくんを犠牲にするみたいなことを言ったり、好きでそんなこと言ってないとかいうシーンとか怖すぎて、最後のいい感じに別れる部分が全く受け入れられなかった。

そしてコウスケとナツミはずっと変なタイミングでイチャイチャしてて何やってんの?と思ってしまった。食糧をゲットするために他の建物に侵入する時後からナツミが来るんだけど、なんかストレートに次のシーンに行かずちょっとやり取りあるし、建物が流されていくから早く戻らないといけないのになんで普通の会話してるのか謎だった。まだここはいいけど、

ショッピングモールに関しては
ナツミが1人語りし始めちゃうし
早くしなきゃヤバいよ!ってずーっと思ってた。

ラストの遊園地と団地をロープで繋ぐシーンからはずーっとイチャイチャしてて意味がわからなかった。コウスケが「俺が繋いだらあとシュートするだけだ」っていうし、結局ナツミのシュートがなんなのか全くわからないし、こういうセリフは適切な環境でちょっとだけ言うかグッてくるのに、生きるか死ぬかの結構ヤバい状況で連発するから緊張感なくなるし、一周回って「ここでイチャつく!?こんな状況で!?」って思ってしまって笑えた。

サバイバル感もそんななくて、
他の建物にロープを引っ掛けてコウスケが滑っていくのはいいけど、そっからナツミが後からくるけど、それはどうやって来たんだと思うし、

離れたところからどうやってロープを向こうに渡して戻れたかも謎だし

めっちゃ建物が離れるまでめっちゃ時間があるしでよくわからなかった。

ナツミばっかり怪我するのも
結構リアルなのかな、本格的にヤバいのかなと思いきや、


本当に巻き込まれただけだし、
mさん

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