やっぱしっかり演じられたシェイクスピア悲劇って良いものだよなと改めて思い知らされた作品。
まずこの作品の鑑賞の為に劇場へ足を運ばせた一番の要因としてはモノクロの不気味かつ美しい映像があったのだけど、案の定予告のような映像美が全編に亘って拝める作りとなっていて素晴らしく、それでいてオーソン・ウェルズの諸作品を思わせる美術やカット割りも散見され、先達へのリスペクトが感じられるって意味でも非常に良かった。
デンゼル・ワシントンやフランシス・マクドーマンドらの語りもいつも以上に魅力的で、不自然ながらも面白さに直結するような台詞回しを非の打ち所がないレベルで表現していたという点でも見事と言わざるを得ず、シェイクスピア悲劇の映画化としてかなり上位に来る出来だったのではないかとすら思う。
でもどうせなら、2021年の大晦日ぴったしに劇場公開されたこの作品で映画納めってことにしたかったかな。