コーエン兄弟の作品と思って観ると肩透かしを食らうような正統派シェイクスピア作品。今作は兄のジョエルが単独で撮り、A24とAppleの製作。弟イーサンはもう映画製作に戻らないかもって噂は本当かな。
シェイクスピア4大悲劇の1つ『マクベス』を基本的には原作に忠実に作っている。削ぎ落とされたストーリー展開とシンプルながら想像力をかきたてるモノクロ映像。終始、霧が立ちこめる幻想的な映像は重厚でいてスタイリッシュ。CGを駆使した映像によって古典作品でも新しさを感じてしまう。
デンゼル・ワシントンとマクドーマンドが夫婦役で安定の演技力。一番インパクトがあったのは魔女役のキャスリン・ハンターで、嘘みたいにリアルな魔女っぷり。とにかく幻想的な映像美に酔いしれてしまう作品だった。