漫画、コミックの世界を実写化する際にＳＦ的なディティールを足して設定に説得力を持たせるというのは一つの方法論だと思うがそれがこの映画では足を引っ張っている部分があると思う。
パワードスーツや変な飛行機はわきに置くとしても、聖闘士星矢における「小宇宙（コスモ）」という概念は東洋的な「気」の概念に近いもので精神的かつ内在的な力なのだと思うのだが、この映画では未知の「エネルギー」くらいのある程度科学的に扱うことができるようなものとして描かれている。
謎の力を「気」として描くのと「エネルギー」として描くのは似て非なるもので、その違いは作劇自体に大きく影響すると思う。
荒唐無稽なものを理解しやすいものにしようとする努力は理解できるし、漫画そのままでは映画にならないのもわかるのだが、題材によってはもっと突き抜けた描き方をした方がいいと感じることもあって、この映画では特にそのようなことを感じた。
