ZOMBIE

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀のZOMBIEのレビュー・感想・評価

5.0
2025年77本目。
久しぶりの鑑賞 DVD。

ロメロ御大の初めてのゾンビ作品が
トム・サヴィーニによって現代(90年)に蘇った!

母の墓参りにきたバーバラは唐突にゾンビに襲われ
民家に逃げ込むのだが
そこに黒人のベンという男性も逃げ込んでくる。
実は家の地下にもクーパーというおっさん一家や若者カップルとかもいたんだが
そこで地下にいたままのほうがいいか一階で臨機応変な対応ができるほうがいいかで
ベンとクーパーが衝突してしまう。
バーバラたちはこんな状況で生き残れるのだろうか!?

といった感じ。

ゾンビ映画の王道というと
・ノロノロ歩くゾンビ(でも量が増えると大変 弱点はヘッドショット)
・籠城からの人間同士の対立、争い
・親しい人間がゾンビになってしまうことへの葛藤や悲しみ
この3つがわかりやすくあると自分は思ってるんだけど。
この作品はそれらを網羅してると思う。
3つ目の葛藤については少し少ないけど
それでもきちんと辛いシーンが描かれている。

だぁからいいんだゾンビ映画は!
武器を持って襲ってくるわけでもないノロノロ野郎どもが
なんであんなに怖いのか!恐れてしまうのか!
それは単純にビジュアルだけではなく

虚ろな目で虚無に蠢き
獲物を見つけると狂気的になり襲いかかる。
なまじ人間の見た目をしているから
生者は比較していまう。
自分もああなってしまうのでは、親や恋人も…
なんて恐ろしいんだ。
じゃあ外には出れない
でもずっと閉じこもるのか?
いや助けを呼ぶべきでは・・・いや待つべきなのか・・・
一緒に逃げてきたこいつは良いやつなのか悪いやつなのか…?
その怪我は本当にただのかすり傷なのか…?
そういったスリルと終末の絶望感を味わえるのはゾンビ映画だけ!(…たぶん!


ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(NOLD)は現在版権フリーになって
誰でも映像を使用したりリメイクや続編が作れる環境になっている。
この死霊創世記の制作者は言っていたよ
そうなるまえに
誰かがちゃんとしたリメイクを作っておくべきだと。

この考えは正しかった
現在あるNOLD関連作品はほぼどれもゴミ。
だからこそ
ロメロが認めた特殊メイク技師サヴィーニが監督で作って正解だった。
死霊創世記とはその名の通り
現在にも通ずるゾンビ映画の原点にもなった。
サヴィーニはベトナム戦争などで本物の死体にも遭遇しており
それがメイクにもしっかり出ていると思う。
…いや本物の死体ってそんな観たことはないけども…


もちろんオリジナルのNOLDありきだが
作品としての完成度は死霊創世記のほうが上だとは思う。

結局ベンのやったことは結構的外れで
クーパーのやろうとしたことやバーバラのしようとしたことのほうが
生存率が高かったのかも…?というオチは
なんとも皮肉でおもしろかった。
もちろんベンがすべて間違っていたわけでもないし
すっごくがんばってたけどね。
リーダーとは難しいものだ。


あ~ やっぱりゾンビ映画って本当にいいな~
こんなにも胸がワクワクドキドキシュンシュンする。
ZOMBIE

ZOMBIE