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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~のblueのレビュー・感想・評価

4.0
この作品、全編アラビア語です。そしていわゆるハリウッド俳優は出てきません。

イラクのモスルを舞台に、実話を元にした映画です。冒頭の廃墟になったモスルの、多分ドローンによる空撮映像には言葉を失いました。

謎のミッションを遂行する部隊の敵は、古くは「イスラム国」と呼ばれていた「IS(イスラミック・ステート)」、現地の言葉では「ダーイッシュ」と言うようです。

その部隊に突如加わることになったカーワを演じるのはアダム・ベッサ。最近観た『タイラー・レイク2』でヤズを演じていた彼を見て一発でファンになりました!アラビア語の他には英語はもちろんのこと、フランス語も話せるそうです。

その部隊のリーダーもアラビア語を話すんだけど、不思議と見覚えあるなーと思っていたら、何と『ハート・ロッカー』で、爆弾を巻き付けられていた現地イラクの男性を演じていたのでした!

途中、イラクの部隊とイランの部隊のリーダー同士が、お互いの国に関して激しく口論するシーンがあり、同じ敵を共有するにもかかわらず、難しい局面もあるのだなーと感じました。とにかくこのシーンの緊張感はハンパなかったです!

部隊のミッションは最後に明らかになりますが、正直ちょっと意外でしたね。

リーダーに関しては、道中で孤児になった子供を見つけて連れていったり、今後の戦術をどうするかの決定を、あえて部下の一人に委ねたり、こまめにゴミ拾いをする場面があるのですが、これらが終盤に向けてのいい伏線になっていました。

あと、戦いの合間に1日5回のお祈りの時間になると、瓦礫や複数の死体が転がるすぐ横で、数人の兵士が地面に伏せて祈りを捧げるシーンには、おおっ!てなりましたね。
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