やっとPTA新作を鑑賞。
映画が骨と皮でできたものだとしたら、今作の骨は紛れもなく、ボーイミーツガールなので、そう意味では単純ではあった。
しかし皮の部分にあたる要素が複雑で吸収しかねる部分があった。私の勉強不足によるものだが、カタカナの固有名詞に殺されるような感じだ。
鑑賞後のモヤモヤを振り払いたくて、パンフレットを買い、今でこそ多少はわかったが、今作を手放しで高評価できる人というのは、映画やアメリカ文化に対しての理解が深い人なんだと思う。
でも私みたいな人は、パンフを買って読むことで味わいが増す作品だと思った。
しかし、そうした「前提知識のようなもの」がないと鑑賞が難しいかといえば、やはり個性的でありながらどこか普遍的な恋愛を描いた映画なので、心を動かしうる作品だと感じた。
それを言えば寄り道してばかりの二人の関係に心を突き動かされっぱなしだったのだが、中でも印象的なのはアラナがバイクから落ちるシーン。みんなが彼を見ていても、僕だけは君を見ているんだ、そんな強い意志を感じた。
走るシーンが本当に多い映画なので、今も目を閉じるとゲイリーとアラナが暴走している。今作に影響を受けた学生が自主映画を作るとしたら、そりゃ紛れもなく、走ってばかりの映画だろう。
あまり触れられなかったけど、弟くんも可愛かった。
ラストが映画館の前なのは、生きとし帰る物語として、観客が戻りうる現実の配慮を少し感じた。
Spotifyでクソほどサントラ聴こうと思いました。
今作の気に入ったポイントは他にもあって、二人の容姿。ゲイリーは髪がボサボサな時もあるし、アラナもくっきりとニキビが見えることすらある。過度に容姿を美しくしないことが、人々に共感を得る作品になり得た理由ではないかと。
予想より下品なシーンがあって驚いたとこもあったし、固有名詞で顔面殴打されたとこもあったけど、観ていてキュンキュンする場面割とあったし、遠回りな二人の関係の最後に拍手。と言うことでこの評価。
あと思ってたよりずっとゲイリーくんグイグイいくタイプだった。