2010年にソフトで見て以来、スクリーンでは初。4Kリマスター版先行上映にて。豪華キャストだったことに驚く。
鬱だ衝撃だ言われがちな映画だけれど、今改めて冷静に見てみるとそればかり注目されるような映画ではないと思う。セルマの姿に涙する。
どんよりすることは間違いないけども。
初見時はセルマの選択に「なぜ…」の連続だった。だからカトリーヌ・ドヌーヴ演じるキャシーの気持ちがわかりすぎた。
セルマはなによりも子供の状況を最優先という意思の強さを持っているが、その意思に伴う行動や決断に矛盾、強いと思いきや子供より弱そうな姿、とにかく端から見ると矛盾をたくさん抱えた人なんだな。人間は不完全なものだし、誰もが正しい道をまっすぐ強く歩んで行ける力があるわけでもない。
その上、本人はそれで良いと信じているしね。
本当に救いのない話だがそれは第三者目線で見ているからだろう。
最悪なのはあの結末を引き起こすトリガーになったアイツの二枚舌。奴がいなければこんなことにはならなかったかもしれない。
トリアー監督作では「奇跡の海」と並んで別格だと思う。