MURANO

ゴッドファーザーPART IIIのMURANOのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
4.0
PART llの終わりの悲哀が完璧すぎて、続編いらないでしょ!と思ってこれまで観ていなかったPART III。

観てみると、なるほど、普通に映画としたら上質なんですね。偉大すぎる前2作のせいで、この出来でも駄作扱いされてしまう宿命が恐ろしい。

この作品ではマイケルの悲哀のさらにその先を描くが、これまでの彼を見ていたら、孤独や贖罪は想像の範囲内で、わざわざPART IIIとして作らなくても良かったのでは?とも思う。

正当な続編というよりエピローグであり、ある意味では蛇足ではある。ただ、ものすごく美しく最高級で、蛇足としては超傑作なのだが。

クライマックスのオペラハウスでの一連のシークエンスはあまりに荘厳で、この叙事詩の締めくくりに相応しい。この終幕のアートを眺めるために、PART IIIは観るに値します。

まぁ、、、アンディ・ガルシア演じるヴィンセントがチンピラのチャラ男にしか見えないとか、そのヴィンセントとソフィア・コッポラ演じるメアリーのいとこ同士の恋模様が浮ついてるとかもあるのに、さらにヴァチカンの汚職スキャンダルという高度な社会批判まで入れ込んじゃって、マイケルの晩年を中心に描くうえで大きくバランスを欠いたとか、いろいろ言いたくなってしまう映画でもありますけどね(^^;
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