Kaji

オマージュのKajiのレビュー・感想・評価

オマージュ(2021年製作の映画)
3.7
劇場にて。

「報酬は少ないけどやりがいのある仕事」が彼女のところに入るとこから社会批評が始まっていて、更年期障害や婦人科疾患の描写もあり、息子の冷笑的な詩手紙や家事を平気で拒否する夫、、
身の回りの女性差別を取り入れながら、
韓国映画草創期の女性監督作のフィルム再生事業をするうちに、剥がせない性別役割や地続きの困難を丹念に可視化していく。

過去の作品を再生していくうちに、主人公の心も少しずつ動く機微を演じ切ったイジョンウン俳優、やっぱり素晴らしい。
夫がクォンヘヒョ俳優、息子はタンジュンサン君と実力と経験値を兼ね備えたキャストがどこにでもあるもの、そこらじゅうにある事を表しているので、現実よりリアルな(言い方変だけどそんな感じ)風景が立ち上がってくる。


過多月経の血の量とか、男の人が見たらうわってなるだろうけどほんとにあんなぐらい流血します。
生理をこんなちゃんと映したのはほんと立派だと思う、、

あの少し引っ掛かりと言うか、フックで入ってた文字の間違い、上手い。
日本語だと、「つづく」か「つずく」かみたいな事かな。。ㅐㅔの。

ほんの少しの事がうまくいかない、間違いになってしまう、不安定さの比喩としてうまかった。
調味料の分量は測らなくても的確にできるのに、自分の人生は調節できない苦しさが身に染みました。
Kaji

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