オマージュの作品情報・感想・評価

「オマージュ」に投稿された感想・評価

第34回東京国際映画にて。

面白い!大満足!

女性の社会進出と中年の生きづらさ、という社会派なテーマをベースにしつつ、だれない会話劇と、飽きさせないホラー(?)要素、後半に畳み掛ける謎解き要素を組み込む監督の手腕に感激。。。

劇中の合間合間には、家族、仕事、年齢、死、食、自然、性、ありとあらゆる問題を感じ取れる描写が組み込まれるが、作品全体から感じるメッセージは「とにかく映画が大好き」それに尽きるのではないだろうか。

タイトルの通り、とにかくいろんな映画のオマージュ満載の本作。それは語られない女性監督の過去も含め、映画の持つ力を最大限に引き出したよう。

すべての道はローマに通じてはいないが、映画にはすべての道を拓けさせるパワーがあるんだろうと、とてもわくわくする1本だった。
むく

むくの感想・評価

3.6
昔のフィルムの修復。削られた部分に女性監督ならではの苦しみが浮き上がる。

昔は可哀想だったなあ....となるのではなく、今も変わらないなあ....となってしまうのが残念なことでもある。

女性だからこその悩みも多く、なかなか苦しかった。

あの穴の空いた劇場の演出はずるい。閉ざされた空間に差し込む希望の光、スポットライト、開放へと導くそのもの。
たくや

たくやの感想・評価

3.5
女性差別の歴史を女性監督から読み解く物語。

鳴かず飛ばずの女性監督の次の仕事は韓国で初の女性監督の作品を完成させること。
※その作品は保存状態の関係で、シーンがなかったり、音が飛んでしまっている。
この作品を作る・再現する中で、女性と仕事・女性差別の歴史などのテーマを盛り込んでいる。
驚いたのは女性はタバコを吸うことがNGとされていた。昔の男って何様だったんですかね…聞いていてムカつく過去の話多かったけど、それでも自分を貫いた女性の強さを見せてくれた。とくに後半明らかになる“とあるものの隠し方”は恐れ入った😮それは気づかないわ!

主演のイ・ジョンウンは『パラサイト 半地下の家族』で怪しい家政婦役を演じた人。相変わらず存在感がスゴい。
kyoko

kyokoの感想・評価

-
仕事終わりの日比谷通いで疲労がピークだったのか、これはガッツリ寝てしまった…首が死ぬ椅子なのに…

唯一心に残っているのは編集技師だった老女とのやりとりぐらい。

この映画が悪いのではなく、ひとえにババアの体力のなさが悪いのです。
主人公の汗が分かりすぎるほどに分かる…
fumi

fumiの感想・評価

3.8
苦境に立たされている主人公が、韓国初の女性映画監督の作品の修復プロジェクトに自分の人生、ひいては韓国映画界での性差別の歴史まで重ね合わせていくなかなか壮大な物語だった。
終盤の、取り壊し間近の映画館でのまるでスポットライトの下に立つようなシーンはため息が出る美しさだし泣きそうになった。観客の感情の持って行き方というか構成がうますぎる。
シリアスなテーマを扱いながらもコメディ色強めの会話で取っ付きやすくてすごく面白かった!
haru

haruの感想・評価

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さすが韓国。エンドクレジット前の演出めっちゃよかったなー。
全くノーマークだっけど、タンジュンサンくんが出てきたとき、ほくほくした☺️☺️
第34回東京国際映画祭日記②
全文はこちら↓
https://www.nobodymag.com/journal/archives/2021/1105_1800.php

かなりの力作で大変感動した。イ・ジョンウン演じる映画監督が自身の制作と生活のはざまで宙吊り状態のなか、韓国映画史最初期の女性監督によるフィルムの修復(音声が消失している!)の「アルバイト」を始めるのだが、そのフィルムに検閲でカットされた形跡を見つけ、失われたフィルムを探し始め...。この仕事自体がそれだけで非常に面白そうなことに加えて、女性の監督が映画史のなかの女性たちを、証言を頼りに語り直そうという試みや、検閲という映画が被った政治的な歴史へ意識が、この作品に広い射程と懐の深さを与えている。たくさん話したいことがあるが、限りもあるのでここでは、失われたフィルムを探すという本筋とは一見関係のない死者の声について思ったことを書きたい。イ・ジョンウン演じる主人公が洗面所で壁の向こうに「ここから出して」という幽霊の声を聞くシーンがあって、次の日にアパートの駐車場で放置された車の中から女性の遺体が発見されたことで、彼女はあの声はこの女性の霊のもので隣の部屋に住んでいたんだと解釈する。このホラー味溢れる話を挿入しているのがこの作品の完成度の高さだという気がする。あの声を聞く前から、主人公は助動詞がわからなくなるという状態に陥っており、これは彼女の中の人間的(あるいは言語的)な組成が解けだしていたことを意味する。それはまさに狂気の沙汰だが、この崩壊手前の状態だったことで彼女は失われたフィルム(そして歴史)を探し出すことができた。いや、彼女をして探し出させたわけだとも言える。この映画をもう一度見たい。(安東来)

最初は母と息子のたわいもないやりとりがコミカルに描かれ、意外と気楽に見れるかな、と思っていたけど、すぐ泣いてしまい、前半はずっと泣いていた。主人公ジワンは、映画を撮ることに行き詰まった映画監督の女性。その行き詰まりは自身が表現者として懊悩を深めたなどということではなく、家庭生活、経済的問題、身体的老い、映画業界の男性から感じる抑圧といった具体的な事象からきている。映画を撮れない彼女は、「韓国初の女性映画監督」の『女判事』という作品のレストアをバイトとして請け負う。その作品は、ところどころ音声が欠落し、検閲でカットされたシーンもある。ジワンは『女判事』の修復のために、かつて映画界で働いていた人々の所在を突き止め、老いた人々に話を聞く。かつて編集技師だった女性は、長年の座り仕事のせいで歩けなくなっている。劇中、若いときの彼女らが写った古びた写真が何度も出てくる。それを見ながら、わたしは、友人たちのことを思い出していた。これまで特に書いてこなかったけれど、わたしも映画を撮っている。もう30歳を越えている。自分や身のまわりのことを思い出し、冷静には見られない。過去のシーンで、『女判事』の監督は、後ろ姿のまま、「わたしはお飾りだ。"韓国初の女性映画監督"という」と語る。そう呼ばれることを引き受けた事実はとても重い。
 わたしは『女判事』を見たことがない。欠落はあるけれど、残っているらしい。劇中、とある男性が「クソ映画」と表現するそれはほんとうに取るに足らない作品なのだろうか。取るに足らないとしたら、それを決定したのはいったい誰なのか。(鈴木史)

中高年男性で売れない映画監督の話は腐るほど見るが、うち女性が主役なのはどれほどだろうか(今年は一本だけ『チャンシルさんには福が多いね』があった)。そうした意味で、質素な魅力のあるイ・ジョンウンを不遇な映画監督ジワン役にキャスティングしただけでも、この作り手はよく分かっている。彼女の夫サンウ役にはホン・サンス作品でお馴染みの俳優クォン・ヘヒョで、映画界を含め社会の性平等に働きかけている彼を起用しているのも、映画内の文脈以前の問題意識として作り手の行き届いた神経を感じる。
 劇中、ジワンが修復を請け負う映画『女判事』は、社会的身分を持つ主人公が、家族の無理解と嫌味に耐えながらも職責を全うし、一家庭の妻と嫁としての義務を果たし幸せな家庭を築く話だ。家父長制が決めた役割が固定するなかで、主人公がただ一人女性としての本質的自由を得ていこうとする姿を描き、映画は存在自体が歴史だと言われた。韓国映像資料院によって消失していた16mmの一部が発見され、デジタイズを経て2016年のソウル国際女性映画祭で上映された。ジワンはこの『女判事』の失われたフィルムを発見しようと奔走する。実際に『女判事』を手がけたのはホン・ウノン監督だが、劇中ではホン・ウィジョンとされている。この名前の絶妙なずれは、フィルムの復元を縦軸にした『オマージュ』のまなざしを画面外に広げようとする。これにより本作は、『女判事』というフィルムだけではなく、忘れ去られ、いなかったことにされるあらゆる女性への敬意となるのだ。ジワンがそうであるように、女たちは女性として生きる揺らぎや葛藤と常に対峙し続ける。監督はそこに厳しい覚悟を持ちつつも、映画は優しい。
 韓国映画を観ると酒が飲みたくなる。有楽町のようにそこかしこに気の利いた一杯飲み屋が多いとなおさらだ。そして、どうやらNOBODY仲間が集まっていることを聞きつける。こんなにお膳立てがされているにもかかわらず、原稿を書かなければならない。自分の筆の遅さを恨みつつ、有楽町の賑わいを後にした。(荒井南)
Naomi

Naomiの感想・評価

4.0
東京国際映画祭

売れない女性監督が韓国初の女性監督の作品修復を頼まれて…という物語。主人公はパラサイトの家政婦だし息子は愛の不時着の北朝鮮兵だし夫はベテラン俳優だし見応えしかない。超良かった。
なぜか今敏監督を思い出しました。
Yuta

Yutaの感想・評価

3.9
東京国際映画祭2021 コンペティション
正式出品作品
ワールド・プレミア

やっぱり、韓国映画結構良いよなあ。最近絶好調。

女性目線で韓国社会…

追記予定
「パラサイト 」の家政婦さんと「愛の不時着」の愛しきウンドンが親子共演!売れない映画監督が依頼されたのは「意義深いけどギャラは安い」映画の修復・復元の仕事だった。その作業は韓国の女性監督が辿った苦難を明らかにしていく。TIFFで「女性監督のパイオニア 田中絹代」を視聴したあとの鑑賞だったから余計に刺さりました。かつての編集ウーマンとのシーツのやり取りや、たちどころに浮かび上がるモダンガールの影もいいけど、好きなのは探し出したフィルムを廃墟寸前の映画館の天井から差し込む光で透かして見るシーン。できすきだろ!とツッコミながらも、文字通り映画に光を当てる行為に惚れ惚れ。けどポルノ映画の上映を館主が気を利かせて止めたのは微妙か。館主の粋な振る舞いいらん!と思った。あそこは背景にポルノを置いた方が引き立ったはず。ウェルメイドに仕上げようとし過ぎるきらいがあるのが、この映画を絶賛しきれぬ辺り。

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