このポスターデザインのようにお洒落な映像だとは思っていませんでしたが、あまりに映像の質感が安っぽくて、映画を観ている雰囲気にはなれませんでした。
女性の職業をめぐる物語のテーマとか、映画監督が古い映画の欠損したフィルムなどを探る展開とか、とても関心のある作品でした。ジワンが修復していた作品である「女判事」が実在する映画ということも興味深かったです。
ただ、主役の女性のビジュアルに華やかさがなく、表情にも感情が反映されていないので、どうにも共感できないままでした。この監督とプロデューサーの女優さんが役柄でスイッチしていればよかったかもしれません。
彼女が探していたものを発見したとき、映画を上映している劇場の客席でガサゴソと作業をはじめ、しまいに上映を中断させてしまったところは、かなりドン引きでした。そこでどんな作品が上映されていようとも、およそ映画監督がやるようなことではないはずです。
喫茶店のホットコーヒーに卵がついてきて、てっきりゆで卵かと思ったら生卵でした。しかも老人はおもむろにカップに投入…。ちょっと絶句するほど衝撃で、残念ながらこの作品のハイライトでした。