無差別イイネは咒殺

奈落の翅の無差別イイネは咒殺のレビュー・感想・評価

奈落の翅(2021年製作の映画)
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現代の『狂い咲きサンダーロード』であり、ある意味で超越した大傑作。

だってやっちゃいけないこといっぱいやってるから。

東京の街をスケボーで滑る、滑る、滑る。

人で溢れた新宿西口、駅構内、果ては車が行き交う公道でも縦横無尽に滑りまくる。

まるで踊るように、飛んでいるように滑る姿に、かつてここまで自由を感じたことがあるだろうか。

撮影隊まで一般人に止められる。

警察に捕まるところまで撮る。

なんでこの映画がこれほど面白くて死ぬほど自由を感じるかって、やっちゃいけないことをやってるからだよ。

倫理的に良くないし、主人公は社会と折り合いもつけません。


『狂い咲きサンダーロード』は、暴走族の話。

周りは皆、社会と折り合いをつけていくけど、主人公だけはツッパリ続け、果ては武装した右翼とたった1人で全面戦争することになる。

この作品は、それを半分ドキュメントで撮ってしまった。

ブラック企業に勤める青年が、夜な夜なスケボーで滑りまくる。

狂い咲きサンダーロードにファイトクラブを足して、BAD FILMの撮り方で撮った大傑作。

生きづらさを抱える全ての人へ、1人でも多くの人に届いてほしい。


※カナザワ映画祭にて手売りのBlu-rayを購入し鑑賞
※あとブラック企業の従業員がスーツ着なれてない感じで、逆に会社のヤバさが際立っててよかった