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なぎさのtoriのネタバレレビュー・内容・結末

なぎさ(2021年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

青木柚くんが上映後登壇するとのことで観に行ったら、とんでもなかった。

どんな話か、思い出せない。
難しかった。
ただ、映画の全体の雰囲気、俳優の演技力の高さがすごく心に残っている。

雰囲気。気持ち悪いけど心地いいような感じ。BGMはほとんどなく、定点の長回しが多い。聞こえる音で状況を想像する。そして全体的に暗い。音も小さく、何を言っているのか分からないシーンは多かった。ただ、それがなんだか映画というより、映像作品に近い印象を感じさせた。インスタレーションのような。長回しも、目を逸らせない、何が起こるんだろうと終始緊張感があった。何か起きそうで、でも何も起きなくて。お化けの出ないホラー映画。みたいなかんじ。

ただ、その分想像力が掻き立てられる時もあれば、逆に全てを理解しようと集中するのを諦めてしまう瞬間もあった。

現在のカットは全体的に赤のイメージが強い。湿気が多くて、アジアのジメジメとしたホラーから、怖いシーンを全て無くしたもの…みたいな印象だった。

過去のカットは反対に青のイメージが強い。夏の暑い中で吹く、爽やかな風を連想させる感じ。なぎさの、「青が好き」というセリフ印象的だった。


印象的だったシーンをいくつかメモ。

・大学の食堂でものすごく猫背でスマホをいじる文直の向かいの席に座る彼女。何か会話しているシーン。周りの騒音しか聞こえず、何を話しているのか分からない。


・青々と木々が茂る道路の真ん中を文直がまっすぐでも危うい足取りで歩いて行き、トンネルの闇に吸い込まれるように消えていくシーン

・風鈴を一緒に作るシーン
ガラスコップに穴を開けるドリル的なやつがキラキラ光っていて、宝物のような記憶、を連想させた。

・エンドロール
音楽じゃないエンドロールの映画が初めてだった。
べーこんぱんけーきの歌。アカペラで、永遠と流れ続けるエンドロール斬新だった。

見た後はドッと疲れを感じた。
2回目見ることは無いなーという感じ。
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