夜行列車に乗ったカリート

劇場版 おいしい給食 卒業の夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

劇場版 おいしい給食 卒業(2022年製作の映画)
3.3
給食に人生を掛ける教師・甘利田が、力の限りおいしく給食を食べようとする姿を描く、ソウルフルコメディ映画

この「おいしい給食」は、ドラマ・シーズン1と映画1作目を視聴済み。
シリーズ最大の見所は、給食道を極めんとする先生・甘利田と、そのライバル生徒・神野の「どっちが給食をおいしく食べるか対決」で、その様相が馬鹿馬鹿しくも情熱的に展開されます。

とにかく甘利田を演じる市原隼人の演技が過剰で、そこを笑えるかどうかで見る人を分ける作品でしょうね。

自分はドラマで作風を知っていたので楽しめたんですが、それでも今回は過剰すぎてシラケる部分もありました。シリーズを重ねる毎に演出を過激にしちまえぇ!という悪いとこが出てましたね。
まぁ、それがこのシリーズの持ち味だったりするんですが、本作から視聴する人にとっては、その濃すぎる演技・演出で引く人もいるだろうと思います。

また作品としては、給食をテーマにする事で、子供だった大人の懐古心を煽る作風になっています。
友人と一緒に、同じ食事を食べるあの日々は、貴重な体験だったなぁと思い出させてくれます。

当時の自分もそうでしたが、子供にとっては健康的であるとか合理的であるか…なんてどうでもよくて、楽しくある事の方が大切なんですよね。
強制して自主性が失われてしまったら、教育という意味でも良くないだろうと。

なので、給食が改革されるのを阻止するため、左遷も顧みずに訴えた甘利田先生には、胸が熱くなるものがありました。

「強制食なら、強制させるだけのサービス精神が必要だ!!」と詰めよって啖呵を切る姿は、なかなかでした。

好きなモノを好きだと言えるって、良いなぁ。