イラン映画はよく喋る。僕はそれを面白いと思う方だけど、うるさいなあと思う人がいるのも知っている。はっちゃけた子供の演技をうるさく思う人がいるのも知っている。でも僕にはそれが面白かった。どこに行き着くのか、子供だけじゃなく私たちにも知らされないままに始まる旅。笑って見ているうちに、次第に胸が締めつけられてくる。父パナヒの次回作「熊はいない」にもこのテーマは繋がっているのかな。父パナヒに通じるユーモア、キアロスタミをふと思い出す子供のつかい方、そしてなんといっても荒涼としたロケーションの美しさ。心に残る映画でした。