岩嵜修平

瀑布の岩嵜修平のレビュー・感想・評価

瀑布(2021年製作の映画)
4.0
東京フィルメックスで鑑賞。台湾映画だが『82年生まれ、キム・ジヨン』に通じる現代の働く母親が置かれる過酷な社会を『ファーザー』のように病を抱えた人からの視点も併せて描く。コロナ禍の鬱屈した想い(そして特に女性の苦境)を的確に描いた作品としても早い。

キャスティングについてアフタートークで、チョン・モンホン監督が「美しい人を一つの条件とした」(誤訳かも)と仰っていたのが気にはなってしまったが、アマンダさんという監督自身のお知り合いに起きた事件が、作劇のきっかけの一つということで、その点を含めてのお二人のキャスティングであり、あのラストなのかも。

シャオジン役の王淨(ジングルワン/ワンチン)さん、どこかで観たことあると思ったら、映画『返校』の主人公だ。どちらの作品でも、語らずとも、知性が溢れてる感じの役だったけど、ご本人が作家でもあって、小説がドラマ化までされてるとな。金馬奨受賞者でもあり世界で活躍するのも遠くないかも。
岩嵜修平

岩嵜修平