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オッペンハイマーのkazuuuのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ノーラン監督最新作。インドにて鑑賞。

原爆の父、オッペンハイマーの伝記的映画。

オッペンハイマーの葛藤を描く演出と、キリアンマーフィーの演技が印象的。オッペンハイマーが生み出した原爆が戦争を終わらせた一方で、多くの被害者を生み出し、また米ソの核戦争がちらつく冷戦時代へと舵を切り、その後の世界を一変させた。その事実に苦しむ内面を表す演出を見るに、ノーラン監督は原爆の破壊力について相当調べたのだと思う。原爆ドームに何度か行った事があるので、被爆者の写真は見たことがあるが、そこで見た写真を思い出させる描写だった。

また、今回映画を観たのはインドだったが、本作は国によってかなり反応が異なると思う。例えば、原爆をどこに落とすか会議をする場面で、「京都はハネムーンで行って素晴らしかったから、候補から除外」という発言が出てくる。インドの方々は笑っていたが、日本人としてはとても笑い飛ばせるものではなかった。人によっては苛立ちも感じるであろう。これは当事者か否か、という部分でかなり反応に違いが出るところであり、こういったデリケートな場面が出てくるため、日本での公開がまだ未定なのだと思う。(決してインドの方々の反応を否定するわけではないことは申し添えておきたい。)

※それにしても、インドの映画館はレベルが幅広い。同じPVR系列でも、場所によってグレードがかなり異なる。
先週ミッションインポッシブルを観たAmbience mallは独立したソファ席でゴージャスだったが、今日行った小さなモールでは席は日本と同じ形だった。今回はマナーとサービスは悪く、鑑賞中に電話をし始める隣の席のインド人、さらには映画が終わっていないのに出口が開き明かりが点灯するなど、お笑いのようだった。メインの爆発シーン後の静まり返った場内で、携帯が鳴り響いた事には流石に呆れ返ったが。

※今日の映画館では、たばこの悪影響について五月蝿いくらいに説明していた。具体的には、上映中にタバコを吸うシーンが出る度に、右下に「Smoke kills」という表示が出るのだ。今作はタバコを吸うシーンが大半を占めるため、ほぼ全ての場面でこの表示が出ていた。気が散るのでやめて欲しいが、おそらく国として、医療費が膨らむことを防ぎたいという事情があるのだろう。
また、予告編の間にもタバコによる癌で口を摘出した映像が流れていた。
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