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オッペンハイマーのCatValentineのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
中国 天津 IMAXにて
(日本語字幕鑑賞後で評価したい……。)

"Trinity."の一言で予期されるのは日本で一瞬にして起こる悪夢までの道のり

大まかな略歴やあらすじを頭に叩き込んで鑑賞。
中国字幕とオリジナル音声の理解に必死だったけど、退屈させない圧巻の映像と惹き込ませる音響に終始圧倒された。感覚的に作品の良さを作り、引き出し、魅了するのは純粋に素晴らしい。クリストファー・ノーランという監督の常人離れした持ち味なのだろう

"Now, I am become Death, the destroyer of worlds."
こんな言葉を吐く彼は原爆投下後さえも、常に煮え切らない表情で深く後悔しているよう。
しかし林檎に毒を注射する時と同じように、踏み切る時はいつも思い切りが過ぎている。

皆に賞賛される背で彼一人が原爆を経験したかのような白飛びした世界の中に取り残される。
結果的に彼は公聴会ならぬ魔女裁判でその責任が浮き彫りになっていく訳だが、科学の進歩に乗っかって人間の考えや行動が退化していくのが本当に愚かだと客観視を要される。後に罪を問うのに、何故当時は疑いもしないんだろう、とこれに尽きてしまう
日本人だからこそ敵国目線なのが考えさせられ、実験成功のシーンでは感情が分からなくなってしまった。


作品自体の芸術的な表現力が高く、原爆投下時の爆風を波紋で表すところやオッペンハイマー自身が悩み、混乱している様子は閃光に包まれたような白い画。核爆弾の完成までの進捗をガラスのボウルにビー玉を敷き詰めていくことで魅せるなど暗喩的な表現が凄く光っていて個人的に印象的だった

2回目 3/29グランドシネマサンシャイン池袋
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