unko

オッペンハイマーのunkoのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
この日が待ち遠しくて、昨日から準備して、朝一で観てきました。

アカデミー賞で無双した本作。なんと3時間。
原作はカイ・バードとマーティン・J・シャーウィン「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」
オッペンハイマー(キリアンマーフィー)の学生時代から、マンハッタン計画、トリニティ実験、原爆投下、公聴会、フェルミ賞の受賞まで描く。要はオッペンハイマーの人生が殆ど描かれたものとなっている。

画面は大きいし、とてつもなく綺麗。しかもCG使用していないんですって。信じられないよ。ファーストシーンから痺れる。絶対寝ないと確信。轟音シアターじゃないのに轟音シアターみたいな音響で椅子から落ちそうになるほどの音が2度ほど。
ビックリするのが嫌いな方は油断しないで観ることをおすすめ。本当に椅子から飛び上がったよ笑

オッペンハイマーの頭の中をそのまま映し出したかのような映像美で、核融合や宇宙の映像、引火して地球大爆発、
ひいては核で苦しむ日本の映像まで抽象的に映す。
オッペンハイマーが原子爆弾だけに苦悩しているのではなく、物語では恋愛・不倫と罪悪感、家族との関係性。病気や自殺、赤狩り時代の共産党員との関係性が複雑にリンクしていて、要素を咀嚼するのがとても難しい。
ちなみにいつものことながら時系列もぐちゃぐちゃになっています笑
しかしながら完全に咀嚼できないでも、トリニティ実験から原子爆弾完成への苦悩や鬱症状の様子をとらえた1つのストーリーとしては理解しやすく、個々人が不足している頭の中の情報はパンフレット等で補完すると良いと思う。
(パンフはかなり補足情報と役者/監督のインタビューが豊富なので1200円ですがオススメですよ)

観ている最中の感情的意見としては、音楽と雑多音、イメージシーンが絡んでホラー映画のような味わいがあり、正直怖かった。観ているこちら側も触れてはいけないものに触れてしまっているのでは?と感じるほど、リアル。言及すると、トリニティ実験の際、自分もこの後起こりえることを想像し、かつこの街の住人として無意識の上に参加してしまっているのではないかと錯覚しそうに。

役者陣。
キリアンマーフィーは勿論のことですが、個人的にエミリーブラントの演技が鬼気迫るアルコール依存症で良かったです。そいつが切り返しが鋭いってあまりないと思う。プロアルコール依存症だから依存症じゃないのかもしれない。
挙げだすときりがないですが、マッドデイモンもいいし、ジョシュハートネット、ベニーサフディ…。
あーもうみんな最高だった!!!!!!全員に賞をあげたい(誰目線)!!!

もう一度劇場で観たいけど、なげぇのと怖いのがなぁ…。
ちなみに最期にタイトルが出るんですが、さすがに3回は出しすぎでしょ笑。ちょっと笑っちゃいそうに。なんか意味あるのかな。
unko

unko