３つの時間軸、色彩で分けた２つの視点、1人の苦悩
織り交ぜた編集の交錯の仕方はさすがノーランといったところで、相変わらずの混在させることでの難解さとギリギリ追いつける落とし所の上手さは天才的
伝記映画であることの範疇は基本飛び出さないが、
演出的な効果で忍び寄る苦悩・葛藤の描き方は凄まじい。使命のために死神となり、破壊者となってしまっても、産み落とされたトリニティの産声は上書きされることなく、脳裏にこびりつき続ける
そして毒リンゴのように止められたらよかったが…
アクションもない3時間の会話劇に冗長のかけらもない
相変わらずゴランソンの音楽はカッコ良すぎる
前作TENETで主人公がオッペンハイマーの名を口にしたことを思い出すと、ノーランが各作品にもたらす繋がりと次への問題提起がとても楽しみになる
