クリストファー・ノーラン脚本監督、キリアン・マーフィ主演のドラマ作品。第96回アカデミー賞13部門ノミネート、うち作品賞含む7部門受賞。
名監督はどんなジャンルだろうと関係ありませんね。また名作が誕生してしまいました。人間としての倫理観と科学者としての純粋な欲望。核兵器の抑止力と破壊力、平和を望むがゆえの苦悩と葛藤、栄光と挫折。こんなにも重厚な人間ドラマは久しぶり。“時間と映像”の魔術師であるノーランらしさも健在！3時間があっという間でした。
それはそうと、この手の作品が公開されると必ず“被害者感情への配慮”が問われます。勿論それを蔑ろにしていいというわけではありませんし、だからこそ日本公開が半年以上遅れたんでしょう。
だけど“争い”には必ず両面性があって、本作はアメリカ側の視点からみた作品なんだから、これが当時のアメリカの真実なんだと思います。それを日本人がみて配慮がないというのはどうなんでしょう。“そこ”に配慮してしまっては、それはもはや真実ではなくなってしまう。
事実を描く（伝える）作品に“配慮”はいらないと個人的には思います。それを不快に思う人は作品を見なければいい。だって原爆を題材にした作品だって公言している訳だから。
被害者感情に配慮するべきはノーラン監督ではなく日本の配給会社であって、作品自体に難癖をつけるのはお門違いなんじゃないかなぁ。。と思います。
