8g

オッペンハイマーの8gのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

聴聞会政治劇だ!!
オッペンハイマーの主観で進むカラーパートと、彼を恨むストローズの主観で進むモノクロパートが交互に、時間軸もバラバラで進む。

「罪を犯しておいて その結果に同情しろと?」このセリフに尽きる。
オッピーが予想よりカスで若干面食らった。女癖悪いし尊大だし。
投下場所の選定会議のシーン良かった。「東京の空襲で10万人死んでも抗議しない米国民が心配だ」「もう日本降伏しそう」「京都はやめとこ、文化的に意義があるし良い町だし」←原爆の大義のなさを感じられる。
日本の被害を見るシーンで、写真が画面に映されないのと、オッピーがそこから目を逸らすのが不満だった。お前(ら)は見ないとダメだろ!! 日本公開も鑑みての配慮というのもまあ分かるけど。
この物語を視覚的、時間的、音楽的にまとめられるのが純粋にスゲー。

時系列的には、
オッピーが大学で教鞭をとる
→共産党員と一時期関係を持つ
→マンハッタン計画のリーダーになる
→アインシュタインに会う(1回目、「世界を破壊するな」)
→原爆実験に成功、日本に投下
→ストローズの要請で原子委の委員長になり、アインシュタインに会う(2回目、ラストシーン「我々は世界を破壊した」)
→ストローズとの対立(水爆への反対、アイソトープ輸出)
→オッピーの聴聞会
→ストローズの聴聞会
→〜ウン年後、オッピー表彰
かな?たぶん。

中盤からオッピーにだけ聴こえる足音は、その後彼を称賛する人々のものだと分かるため、彼にとっての栄光を表していると解釈した。彼は原爆の危険性を理解していながら、足音に囃され栄光のために投下した。しかしその後被曝した人々の幻覚を見ることから、同時に罪悪感や虚無感をも表しているのではないか。
「その時は許される だが忘れるな 君のためではなく 彼らのためだ」
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