このレビューはネタバレを含みます
最初は原爆を作った人の映画なんて観たくないというのが第一印象だった。
そもそもオッペンハイマーという物理学者のことを、大半の日本人は知らないと思う。
NHKで放送されたノーラン監督のインタビューを見て、自分が何を思い感じるか、観てみるべきだと思った。
確かに原爆投下シーンは映されていないけども、日本で育てば自然とそこは補完されているので、他の国の人よりも解像度は上がる。…うーん、良く捉えすぎか？（ノーランバイアス）
トリニティが成功して皆歓喜するシーン、実際に被害に遭ったのは祖父母の世代だが、自分にこんな感情があるとは正直驚いた。アメリカという国を心の底から軽蔑した。大統領がその役割を負うと劇中ではマウントしていたが、実際こっちからみると国に対してなんだよなぁ。
なのでオッペンハイマーの苦悩は正直どうでもいい。そんな苦悩するなら最初から作るな。救われなくて当たり前。奥さんの言う通り。（エミリー！）
あれ、監督が初めてラブシーンを入れたというのは、もしやそういう伏線もある？
しかしドイツやソ連の可能性もあったし、日本だけが原爆の被害に遭うとも限らなかった。今起きているウクライナ侵攻やガザでもあり得る話。
映画という媒体を通して、それぞれの立場から核について考えることができる良作だったのでは？
咀嚼して一日、ようやくそこに着地した。
