シネオ

オッペンハイマーのシネオのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
やっと観ることができた。昨年8月に日本公開された「バービー」とほぼ同時に全米公開されたのに、日本では内容から上映未定。中堅なのに配給を決めたビターズ・エンドに感謝しかない。

大好きで史実も得意なクリストファー・ノーラン監督。3つの時系列の配置が上手いのはさすが。同人物を側面を変えて描くのは、相変わらず挑戦的だ。劇場鑑賞にこだわる監督だから、音響がすごかった。

若い頃に読んだ小説同様、原爆の開発と日本への投下を正当化しているのは、やはり観ていて辛い。落とす側のロジックが、あまりにも馬鹿らしい。パンドラの箱を開けてしまった物理学者たちは、どうやって後ろめたさから、正義に辻褄を合わせたのか。これがプロパガンダで操作されたアメリカ人の感覚、国の大義名分なのか。マンハッタン計画に参加しなかった、アインシュタインの言葉が悲しい。

キリアンマーフィー、エミリーブラント、マットデイモン、ロバートダウニーjrら、演者は皆素晴らしかった!3時間のドラマを魅了し、オスカー総なめも納得です。

是非ノーラン監督には広島原爆記念館を訪れてもらい、日米双方の視点で描いてほしい。イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」のように🥹
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