藤見実

オッペンハイマーの藤見実のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.0
ノーランの唯物主義的セット組とトリニティ実験のマッチは少し楽しみにしていた。そこは期待と同等のものが見れたなとは思う。ただし説話と群像劇的ドラマが本当に苦手なんじゃなかろうか、これに関しては最後のフラッシュバックが致命的に不道徳(会議で責められるのとピカドンを被せて不道徳だと責められないはずないでしょう)であることに繋がる。たとえばジェームズグレイだったらもっと緻密に視線のやり取りを描けたろうと思う。
・フローレンスピューが騎乗位してるとこでなんか破壊だの神だのサンスクリット語文献読ませるとことか、宇宙の真理気になって眠れねーとか、映像にしたらバカすぎてどう見たらいいんかわからない、多分全然アイロニーもおふざけもそこに介してないだろうのが辛いな、と思う。
・所有とは盗み→ownershipじゃなくてpropertyでしょ、のとこの真意マジでわからん、プルードンでしょ。そのごっちゃになってるエセマルキストってことでもなさそうだし(そういう難しさはノーランにはないと思う)、ぜんぜんわからん。何?

一点良かったのは、ロバートダウニーJr.の声がオフの音声になって回想に繋がるところかな。
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