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オッペンハイマーのchaooonのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
今年度アカデミー賞🏆作品賞、監督賞、主演男優賞を初めとする7部門受賞作品👏✨
原爆という日本ではセンシティブな内容の作品なので、劇場公開が危ぶまれましたが堂々の劇場公開🙌✨
ノーラン作品が公開されるならIMAXレーザーGT一択!ということで迷わずグラシネへ🤩💨
DUNE2の翌週にやっぱり8時台の回を鑑賞💨2週連続早起きしたわ!早過ぎだよ🤣

原爆の父であり戦争を終わらせた英雄として歴史上の重要人物とされるロバート・オッペンハイマーの半生を描くノーラン監督渾身の伝記映画🔬

圧巻でした👏✨✨
重厚なテーマに圧倒的な映像と音の体験✨
これはオスカーも納得の歴史に残る作品だと思いました😌
今作を劇場で、もっと言えばIMAXで体験出来て本当に良かったと思えた作品🥹

でもなんでしょう…だからと言って手放しで絶賛できない、どこか引っかかる作品でもあり、これぞ観たかったノーラン映画であったと同時に、思ってたのと違う🙄って部分もあり…レビュー難しいなぁ😂
ということで支離滅裂ですが、感想を徒然にウダウダと書きます(断らなくても私の感想はいつもそうだけど)

事前の予習で脳みそと心を消費し切ったというか、感情の部分で大いに揺さぶられていろんなことに想いを馳せてしまったので、若干予習がピークになってしまった私😇
それに対して今作は実に冷静に観れてしまった。
というかそもそもノーランの描き方がそういう作りだったから当たり前なのかもしれないけど。
映画って主人公の葛藤とか感情の吐露をセリフとか表情、身体の動きで見せていって、観ている側もそこに感情移入していくものだけど、ノーラン映画は一味違う。
構成とか映像と音で見せるオッピーの内面の揺らぎの表現が凄まじかった。
時系列通りではなく時間軸の前後によって巧みに引き出されるオッピーの想いや思考が映画の中でも効果的に響き渡る。
1人の人間の心の内で激る感情や頭の中で展開される思考を映画というフォーマットで最大限に表現した作品は他にあっただろうか!
もっと言えば劇場という場所で体験することでその効果が十二分に増す作りが凄い👏

パンフを買って読んだらその辺もスタッフさんの努力が語られていた。
ただキャストやスタッフは今作をとてもエモーショナルな作品だって語ってて、それはそれですごく違和感を感じた。
アメリカが今作をどういう風に描くは凄く興味があってけど、変に美化したり卑下したりすることもなく実にニュートラルな姿勢で描かれていたと思った。
特にナチスが退いて原爆を日本に使うのか使わないのか?って辺りで、オッピーが皆んなを導くくだり。
この辺は予習のドキュメンタリーでも描かれていた部分で、今作でもそのまま描かれていたことに満足感あった。

本来原爆を作り上げることよりもそれを投下しその効果と影響を知ることの方が重要であるけれど、あくまでオッピー視点で展開するので、原爆完成後は実に淡々とあっという間にオッピーの手を離れて駆け抜けていく感じにリアリティと怖さを感じた。

とは言え、俳優陣の演技ももちろんすごかった!
というか全員主役級な豪華キャストが次から次に出てくる贅沢さ✨
登場人物が多くて関係性とか覚えきれなくて混乱するかも、と観る前は不安だったけど、皆様インパクト大な存在感だから杞憂で終わったわ😌

そんな豪華な面々の真ん中で堂々たる主役を演じるキリアン・マーフィー💖
数々のノーラン作品の常連として刺激的なエッセンスを毎度作品に与えてきた彼が、ついにノーラン作品の主演✨✨
しかもアカデミー賞を受賞するようなココ一番な作品での主演!!!
キリアンの静かな中にも複雑な感情表現が込められている感じが今作にハマっている。

世界の概念を変えてしまう程の爆弾を作り出した天才科学者とはいえ、ただの人。
私生活に抱える問題だったり、決して品行方正とは言い難い姿を大学で物理を学んでいた時代から、マンハッタン計画、トリニティ実験、晩年に至るまでの彼の私生活や人となりをも描く。

ストローズが劇中でオッピーを評す言葉として「慧眼にして盲目」と使っていたけど、陰湿な教授への衝動的な行動や、不倫、大義よりも自らの力を示したいという顕示欲。
実験物理学を不得意とし、理論物理学を得意とするといった側面。
そんなところからも全てがパズルのピースのように感じられた。

そしてまさかの全裸のピューちゃんとのラブシーンも🫣
ノーラン作品でこういうあからさまなラブシーンて珍しいからどびっくり❣️
ただ圧巻のピューちゃんでしたわ🤤
個人的にはピューちゃんはそういう肉体的な魅力というよりは内面的な強さとかが魅力だと思っているので、脱ぐ必要は?と一瞬思ったけど、妻であるキティとの対比だったり、あの聴聞会での幻想の登場シーンとかがわかりやすくなってたから、やっぱりあり🤤
花捨てるシーンとかピューちゃんならではって感じした💐

授賞式のゴタゴタで賞賛しずらい雰囲気になってますが、もう1人の主役ともいうべきルイス・ストローズを演じたロバート・ダウニーJr.も凄みがあった😳
単純に実年齢よりも圧倒的に上の役に違和感なくなりきってて、彼の劣等感を滲み出す感じとか感情移入した。

一人一人書くと永遠に終わらないので、思いついた人だけパッパと…
しばらく観ない間にアレック・ボールドウィンみたいになってたジョシュ・ハートネット👓
常に鋭い眼光でオッピーを見つめるデインデハーン👁
何気にいつも謎めいたキーパーソンのマルチャン🖤
誰よりも腹黒くて無感情のトップをゲイリー・オールドマン😳(でっぷりしてて一瞬にてる人かと思った)

思ってたのと違う…ってなったのは赤狩り関連のパート。
今作の構成は、オッピーの視点で展開するカラーパートと「核分裂」と、対立したストローズの視点・モノクロパートの「核融合」の2つで進行する。
2つの軸がありつつ、その上時系列をシャッフルさせた構成は、引き込まれるし3時間という長い尺も飽きることなく見ることができた。
この構成によって映画のあるべきタイミングで、オッピーの抱える真意や思考がオッピーの口から聞けるとこは巧みだったとも思えた。
だけど、2つの聴聞会と公聴会で追及している内容だったり、引っ張って最終的に見せたい部分がロシアのスパイか、共産党との繋がりとか、いかにオッピーが政府から地位を剥奪されたかで、正直あんまり興味が湧かない部分だったのよね🙂

まあ確かに今作のキャッチコピーには「世界の運命を握った天才科学者の栄光と没落」となってたから、その「没落」の真実を描くというまんまその通りなわけだけど。
戦争を終わらせた立役者として英雄視されながら、後年はその地位を追われた天才科学者であるオッピー、実はその辺って当のアメリカ人もあまり知らない部分なのかな〜って思ったり。
日本人の私はそこじゃなくて尺使うならもっと別のとこ描いて欲しかったと思ってみたり。
結局これはアメリカ人のためのアメリカ映画なんだなと当たり前のことを思ってもみたり。

別に広島や長崎の描写がないからどうとか言いたいわけではなく(そこは逆に描かないことでの強調になっててありだと思ったし、来日しながら広島・長崎には訪れなかったオッピーの姿との重なるかなと)その代わりに長い尺とって描かれるのが赤狩りかぁってなっただけ🙄
巧みな時間軸シャッフルで引き込まれたけど、その描いている部分が個人的に微妙だったから結局プラマイ0という感想😇

あの聴聞会にもオッピーの想いが込められていたわけだが、でもそこに気付かせてくれるのがエミリー・ブラント演じるオッピーの妻キティで、彼女の立ち回りが一番感情移入させられたし、今作が伝えようとしている肝の部分を要所要所で道標になるような存在だった🥹
あと終盤で見せた憎々しい顔が最高だった🤣
なので、エミリーのオスカーノミネートは納得感あったし、受賞しなかったのが残念🥺

なんか色々ウダウダ書いたけど、ラストの着地をあそこに持ってきたのは、ゾワッととしてなんか胸がいっぱいになりました。
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