春

オッペンハイマーの春のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
3月31日劇場(Dolby Cinema)にて視聴

<我は死なり、世界の破壊者なり>

⭐️第二次世界大戦下のアメリカ🇺🇸
優秀な科学者を集め核爆弾の開発を行う〝マンハッタン計画〟に参加したオッペンハイマー。
世界の運命を変えてしまった天才科学者の苦悩を描く⭐️

とても知的な作品だったと思います。
ただ私的には‥
クリストファー・ノーラン監督にIQテストされてる気分‥
オッペンハイマーが原子爆弾を開発、実験が成功し投下される軸のストーリーと
1954年と1959年の2つの公聴会
この3つのストーリーがランダムに配置
しかもカラーとモノクロのパートに分けられる
(これはオッペンハイマーから見た場面がカラー、モノクロは他者から見た視点だと後で知りました)
あ‥やっぱりこの監督苦手かもしれない‥⭐︎
少し⤵️ネタバレかも知れませんが

そして、この作品は
あくまでオッペンハイマーという人物を描いた作品なので
原爆の惨状などは一切描かれません。
正直、私は4回は涙が出ましたが
それは作品を観てではなく
こんなちっぽけな会議であんな恐ろしい兵器を落としたのかと人間に使ったのかと‥
そういうタイミングで悲しくなったからです。


ロスアラモスでの実験(すごい映像でした)や知識から、既にどんな結果がもたらされるか予期してきたオッペンハイマー

原爆投下成功で喜びに沸くアメリカ🇺🇸の人々
その前でスピーチする彼の前に焼けた少女(監督の娘らしいが‥そんなもんじゃないよ‥って日本人である自分は思いましたが)が現れ、階段を進む足元には黒焦げの遺体が‥
しかし、投下後の広島の映像を映し出した報告会で彼は画面から目を背けるんです。
直視は出来なかったんだろうなということは想像できる。
ザッザッザッザッという足踏みの音は
核融合のイメージとして聞いていたのですが
オッペンハイマーが追い詰められていく内から聞こえる音だったのかな‥

心の声として幾度か登場する
〝我は死なりー〟はインドの経典からの引用
生み出した兵器が人類を、地球をも破壊する一歩となってしまった事をまざまざと思い知る彼

その後、反戦反核のためにオッペンハイマーが活動する描写は控えめなものにとどまっていました。


やたら女性関係にだらしないオッピーの全裸とか
愛人との〇〇シーンとか‥その尺あれば
少しはそこを描けただろーーって思いましたが
そういう映画じゃないんでしょうね…
私はもう少しベタな作品の方が好みだったかなぁという印象(やっぱりノーラン監督合わないのかも💦)
とても反戦映画だったとは感じました。
キリアン・マーフィと
ロバート・ダウニー・Jrはやはりお見事でしたね✨


オッペンハイマー氏は戦後
日本に訪れましたが広島、長崎を訪問することはなかったそうです。

核爆弾(現役)は現在
アメリカ🇺🇸約3700ロシア🇷🇺約4400
世界中🌏で約9500発
春