たにぐそ

オッペンハイマーのたにぐそのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
2.8
うーん、絶賛評が多い中、酷評するも忍びないですが…

ノーラン節が合わないと3時間が長いし苦痛すぎた…個人的に「プレステージ」級にクセが強く、久々に劇場を中座しそうになった

今作は直球の「伝記物語」であるからこそ、これまでのノーラン作品以上に色々と自分の映画観で受け付けないポイントが目立ってしまう上、作品のテーマと食い合わせが悪くて味を楽しめなかったというのが率直な感想です。。。

中盤のロス・アラモスでの件以外は、不祥事起こした大企業の紛糾会議に事情もわからず同席させられているような気分でどうも…オッペンハイマーの苦悩を追体験するというよりシンプルに退屈…

音響演出は飛び抜けて素晴らしい反面、会話劇に入ると細かいカットが漫画のコマ割りのように過剰に感じてしんどいし、単調な演技演出に飽きる

クロスカットに加え、例え話や回想をなにから全部映像で見せる、といった持ち味の手法が全部裏目に出ていると思えて本当にキツかった…

モノクロIMAXのシーンも白飛びしていて正直見辛いったらない

あと特に劇伴が過去一でくどすぎて、もうとにかくしんどい…

肝心のトリニティ実験のシーンも、CGを使わないとどう見ても核爆発には見えないショボさでどうも片手落ちに思えた

ハリウッド映画、しかもオスカー受賞作がここまで「核兵器」について批評的に描いたということの価値は非常に感じる

しっかりマンハッタン計画関係者とかオッペンハイマー含む科学界のレッド・パージ史を予習しておけば多少違ったり、あと字幕で観るには明らかに向いていない作品なので、吹替で観たら大分評価が変わるかも

ただ、なんとか劇場公開にこぎ着けさせた本邦の配給関係者には感謝しかないっす
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