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オッペンハイマーのニタのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
アカデミー賞7部門受賞おめでとうございます🏆️


授賞式のキリアン・マーフィの穏やかなお顔は、作品内で苦悩を重ねるそれとは大きく違うものでした。
ノミニー紹介時のベン・キングズレーによれば、マーフィは脚本を読む前に出演を決めたとか。
この賞を平和を築く人に捧げるという言葉が印象的でした。
ノーラン監督は、原作が25年かけてリサーチされたノンフィクションであることなどをスピーチ。
2人とも初受賞ですが落ち着いていて紳士的に感じました✴️

皆さんのレビューは拝読していたものの、細かい情報はなるべくいれずに鑑賞に臨んだところ、こういう進行だったのかと大変驚きました。
原爆の開発は無論描かれるものの、聴聞会?公聴会?の極限までの緊張感!!デヴィッド・ストラザーンみのあるダウニーJr.にはびっくりで!!こちらの受賞も納得です。ジェイソン・クラークもかなりのインパクト。
他にも大物俳優が次々と…!(←登場人物多め💧)音響も含め、劇場案件の1本でした。


直接的な原爆被害の描写がなく、日本人としてはモヤるという話に共感しつつ(ノーランにインタビューした桑子アナもそこを聞きたがってた)、これがオッピーの伝記だということを踏まえれば、決してヒロシマやナガサキを軽視したものではない、とは思います。
生み出された非人道的な兵器は現在にもあらゆることを投げ掛けており、一人の男の生々しい生きざま(女にはだらしない~😑)と共に強烈に胸に迫りました…


映画を観た数日後に、東京上空で一発の原子爆弾が炸裂・・・
という内容の番組を観ました(NHK『時をかけるテレビ』4/5放送回)。
1984年放送のNHK特集を振り返ったものです。

1メガトン(広島の80倍)が空中爆発をする(東京タワー上空2400メートル地点が最大力を発揮)と、爆心直下には直径1.8キロの火の玉が出現し、瞬時に5000度に達する。
耐火レンガも3000度で溶けるという話なので…建物も人も車も…惨状は容易に想像できる。

放送内では映画で登場する実験映像もあり、かなりの衝撃度。
世界の主要都市で同様の事態になった時、地球規模で破壊力が及ぶことをを想定して映像化されたもので、当時の科学者の警鐘に言葉もない。
機会があったら是非ご覧下さい。
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