ニタ

夜明けのすべてのニタのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.8
上白石萌音(藤沢さん役)ちゃんの、少し湿り気のある語り。舌足らずまではいかない、何というか…体温を感じる話し方。
人に誠実であろうとして結果的に空回りする感じがとってもリアル。
松村北斗くん(山添くん)の気の抜けた感じとかもイイ。

PMS女子とパニック障害男子のお話。
恋愛要素はなく、劇中でも男女の友情について言及するシーンがあるが、この2人はそれとも少し違う。
それらを超えて支え合える、気遣う関係を持てるという小さな気付きをとても静かに教えてくれる1本。
朝ドラでは夫婦役を演じていた2人。今回の距離感とか雰囲気は真逆のものなのにさすがなうまさだったと思います。


原作を読みました。
映画→原作の順がいいのではとフォロイーさんにアドバイス頂き、そのようにしてみました。
原作との違いはわりとあり、やはり先に映画でよかったと思いました。
再現度というのはいつも話題になる点ですが、好きだなぁと思ったシーンが抜けてしまったのは少し残念。↓↓


・パニック障害の為、映画館には行けない山添くん宅に押し掛けて、観てきたばかりの『ボヘミアン・ラプソディー』を唄い(←歌下手)、熱く語る藤沢さん。応じてくれる山添くん。2人でサントラを聞く場面。

・盲腸で入院した藤沢さんのお見舞いに行く為に苦手な電車に勢いで乗り失敗する山添くん。最終的にレンタサイクルで向かう場面。自転車に活路を見出だすところは、彼の中で霧が晴れるかのような重要な場面。

…の画を観たかった‼️

髪切りシーンはちょっとお行儀よくなってる気がしました!!(その他、お守りとか転職とか言及したいことはいくつかある…)

星や宇宙に馳せた思いがタイトルに発展し、それらに大きく包み込まれて暮らす人々(私たち)は、ものづくりやら介護やらいろんなことを通して繋がっている……的な印象を映画からは受けましたが、原作に登場する会社はプラネタリウムはやってなかった😅(建築資材や金物をホームセンター等に卸す小さな会社)。
中学生によるお仕事場インタビューを差し込み、業務や会社との向き合い方を切り取ったのは面白いなと思いました。
毎日、"どんな人にも明日は来る"という優しい希望を示した温かみは伝わりました😊


何にしても、この原作を映画にしようとしたところは凄い。地味にも見えるけれど、もがきながら何かをつかもうとする若者を掬い上げたテーマが光る。
私としては光石研推し‼️
作業服あんなに似合う俳優他にいますか?
中小企業社長と言ったらもう光石研しか考えられん‼️😆
ニタ

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